シリーズ【意味から理解する算数の考え方】その3 面積の公式は“たて×よこ”だけじゃない──九九がつながる図形の話

こんにちは。オーダーメイド学習塾はつがの塾長の千田です。
前回までの記事では、かけ算・わり算の“意味”に注目して、単なる暗記ではなく「なぜそうなるのか」を大切にしてきました。
今回はそれを、図形の世界=面積の考え方に広げていきます。
面積の公式は「たて×よこ」だけ?
面積というと、まず頭に浮かぶのはこの公式かもしれません。
長方形の面積 = たて × よこ
たしかに、小学校で最初に学ぶ面積の公式ですし、九九を使って求められるので親しみやすいですよね。でも、ここで大事なのは、「たて×よこ」という公式の意味をちゃんと理解しているかどうか、です。
九九と面積──点と点が線になり、面になる
たとえば、次のようなマス目を想像してみてください。
- たてに3マス、よこに4マスの正方形が並んだマス目
- この中に小さな正方形が全部でいくつあるでしょう?
「3×4=12」で、12個ある──これは九九の計算で出した結果です。
でも、ここで注目したいのは、**「なぜ12になるのか」**をイメージできているかどうかです。
つまり、
- 「1行に4個あるものが3行ある」から、3×4
- または「1列に3個あるものが4列ある」から、4×3
この「○が何個ある」「何列ある」といった数の構造を捉えることで、かけ算は図形とつながります。
これは、わり算でもかけ算と関連付けて、考える事が出来ます。
三角形や平行四辺形にも“意味”がある
長方形の面積はわかりやすい。でも、それ以外の図形になると、とたんに混乱してしまう子が多いです。
- 三角形の面積 = 底辺 × 高さ ÷ 2
- 平行四辺形の面積 = 底辺 × 高さ
これらの公式、教科書では“覚えましょう”で終わってしまいがちですが、元は長方形を使って説明されるものです。
三角形や平行四辺形で定義される「底辺」や「高さ」は垂直の関係となります。
たとえ、三角形や平行四辺形の角度が180度に近づいても、0度に近づいても、底辺と高さが垂直の関係にあれば、それだけで面積を求める事が出来ます。
そして、三角形の面積は「同じ大きさの三角形を2つ合わせると長方形になる」から「÷2」。
平行四辺形も、切って動かすと長方形になることが分かります。
つまり、**「たて×よこ」は長方形に限らず、図形の面積全体の“基本の考え方”**になっているんですね。
家庭でできるサポート──九九と図形をつなげてみよう
🟦 マス目の紙で面積を体感
方眼紙やお絵描き帳などで、実際に「3マス×4マスの長方形」を塗ってみるだけでも、子どもは九九の意味と面積の関係を実感できます。
折り紙でもよいでしょう。子どもたちにとって、折り紙はついつい手にとってさわりがちですので、図形や九九が身近な存在になるかもしれません。
🔷 図形を切って並べ替えてみる
三角形や平行四辺形の厚紙を用意して、実際に「長方形に変える」作業をしてみましょう。公式の丸暗記ではなく、「なんでこの公式になるのか?」が腑に落ちます。
🟨 九九の延長に図形があることを伝える
九九はただの“計算”ではなく、数の構造を理解するためのツールです。それが図形の面積につながっていると分かると、子どもたちは算数への見方が変わります。
最後に──「意味のある学び」で算数をつなげよう
算数は、バラバラの知識を覚える教科ではありません。
かけ算、わり算、面積……それぞれが“意味”でつながっていきます。
九九を「暗記で終わらせないこと」
図形の公式を「丸覚えで済ませないこと」
この2つを意識するだけでも、子どもの学びは大きく変わります。
「わかる」と「できる」をつなげる。
そしてその先にある「使える」力へと導いていく。
はつがは、そんな学びを大切にしています。
📚 オーダーメイド学習塾はつがでは、九九からやり直したいお子さん、図形が苦手な小学生、不登校で学校のペースに合わないお子さんに合わせた個別の学びを提供しています。
中央林間・町田・大和・相模大野周辺にて、家庭教師スタイルや寺子屋スタイルでの学習支援を行っています。お気軽にご相談ください。