“待つ”ってどういうこと?

サロンの考え方

― 親の思惑を手放すことから始める「信じる」という選択

「そろそろ変わってくれるはず」と思っていませんか?

不登校や登校しぶりの子どもと向き合う日々。
親として、「このままでいいのだろうか」「いつか戻れるのだろうか」という不安は当然のことです。

だからこそ、周囲から「信じて待ちましょう」と言われると――

「待っていれば、いつか元気になるはず」
「きっともうすぐ、何かが変わるはず」

と、どこかで**“良い変化を期待してしまう”**のが私たち大人の自然な心の動きです。

でも、もしその「待つ」が、“親としてこうなってほしい”という思惑の延長線上にあるなら……
それは、子どもにとっては「待たれている」のではなく、**“見張られている”**と感じられてしまうことがあるのです。


“何もしないこと”が「待つ」ではありません

「信じて待つ」と言われても、実際にはとても難しいものです。

  • つい先回りして声をかけてしまう
  • 励ましているつもりでプレッシャーを与えてしまう
  • 何も変わらない日々に、焦りと苛立ちがつのってしまう

そんなとき、心の奥ではこんな思いが隠れていないでしょうか。

「いつになったら動いてくれるの?」
「このまま何もしないまま、ずっと続いてしまうのでは……」

それはつまり、“この子にこうなってほしい”という親の願いや思惑が、形を変えて表れているのかもしれません。


思惑を手放した「待つ」には、あたたかさがある

子どもは、親の言葉や態度から、思っている以上に敏感に気配を感じ取ります。

  • 「変わってほしい」
  • 「もう元気になって」
  • 「みんなと同じように戻ってきて」

そんな願いが、**“愛情”という名のプレッシャー”**になってしまうこともあります。

本当の意味で「信じて待つ」とは――

親の思惑や期待をいったん脇に置いて
子ども自身が、自分の足で立ち上がるまでの時間を、安心して過ごせるようにすること

なのだと思います。


では、親には何ができるのか?

子どものペースを尊重しながら、今できること。

たとえば――

  • 朝「おはよう」と声をかける(返事がなくても)
  • 好きな食べ物を黙って用意しておく
  • 部屋の灯りがついていたら、そっと「起きてるんだな」と気づく

そうした**「応答を求めない関わり方」**の中に、子どもが安心できる余白が生まれていきます。


信じるというのは、「選び続ける」こと

「信じている」と口で言うのは簡単です。
でも実際には、

  • 望んだ通りの変化がない
  • いつまで続くか先が見えない
  • 周囲の声が気になって仕方がない

そんな中で、親が心穏やかでいられることのほうが少ないのが現実です。

それでも私たちは、

“この子は自分で乗り越える力を持っている”
“今はその途中にある”

と、選び直しながら、信じていく。

それが、「待つ」ということの本質ではないでしょうか。


最後に

待つことは、放任でも放棄でもありません。
「自分の願いや期待」をいったん手放し、
子どもが“今いる場所”に安心していられるよう支えること。

その関わりの中に、はじめて「信じて待つ」あたたかさが宿るのだと思います。


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