指導事例~理解するために必要な集中力の強度とは!?~
こんにちは、「考えて書く!家庭教師スタイルのオーダーメイド学習塾はつが」の千田です。今回は、理解するために必要な集中力の強度についてお伝えします。
■理解できるほどの集中力で取り組めているのか
集中することの意味をご存じでしょうか。
一般的には「集中力」と呼ばれています。広辞苑によると、集中力とは「ある物事に向ける意識や注意を持続させることのできる力」と記されています。では、どのぐらいのことを集中する状況と考えられるのでしょうか。
最近、こんなことがありました。
ある男子中学生のことです。彼は数学で特に図形が苦手で、学年末テストにおいて証明問題を解くことがほぼできませんでした。
しかし、テスト前まで全く勉強をしていなかったわけではありません。私が指導するときには問題と向き合い、普段の学習においても「勉強をやりました。学習をしました」と彼は話します。その中学生にしてみれば、問題を真剣に解いているつもりなのです。
私は今回の学年末テストの結果を受けて、彼にもう一度小学4年生の図形からやり直すことを提案し、本人の承諾を受けた上で図形の復習を始めました。特に平行と垂直が苦手で、小学生の問題でも苦戦していましたが、小学5年生の図形問題になると、彼は計算が好きなので、計算の要素が強い面積や体積の算定ではスラスラ解けるようになります。
ただ、5年生の図形問題を解き始めてから1時間後、彼にちょっとした異変が起きます。急に頭を抱え始めて「もう疲れた」とうずくまるのです。もちろん、体調の悪化ではありません。5年生の問題を解くぐらいの集中力で、学校の授業など普段から実践していなかったため、このような状況に繋がりました。
これまでも、彼は「授業をきちんと聞いている」「試験勉強は、〇時間しました」と答えていましたが、これらの結果から、小学5年生の図形問題を解いていた時の集中力で授業や学習に取り組めていたのかに繋がるのです。つまり、1時間あれば本当に1時間ずっと目の前にある問題だけに集中できていたのか。問題を解きながら、別のことを考えていなかったか。きちんと聞くことと理解するために集中することを同じ意味で捉えていたようなのです。
恐らく、集中力の強度は各々で違うと思います。しかし、自分が理解できるぐらいの集中力でなければ、学力や成果、自己肯定感の向上は見込めません。ぜひ、これを機会に理解するために必要な集中力の強度について、見直してみてはいかがでしょうか。
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