シリーズ【意味から理解する算数の考え方】その4 「1を〇等分するってどういうこと?」──“0等分はできない”というあたりまえの話
こんにちは。オーダーメイド学習塾はつがの千田です。

分数の学習でつまずく子は多くいます。
「1/2ってなに?」
「なんで1÷2が1/2になるの?」
「0で割っちゃいけないのはなぜ?」
そんな疑問が出てくるのは、むしろ自然なことです。
今回は「1を〇等分するとはどういうことか?」を出発点に、わり算と分数のつながり、そして「0等分」ができない理由まで、意味から丁寧にたどっていきます。
1. 分数は「わり算の形をした数」
分数の出発点は「わり算」です。
1 ÷ 2 = 1/2
3 ÷ 4 = 3/4
このように、分数はわり算の答えを記号で表したものです。
「1個のケーキを2人で分ける」→「1 ÷ 2」→「1/2」になるのです。
つまり、「1を〇等分したうちの何個分か」が分数の本質です。
2. 等分とは「同じ大きさに分けること」
「等分」は、漢字の通り「等しいように分ける」こと。
たとえば:
- 1 ÷ 2 → 同じ大きさで2つに分ける → それぞれ 1/2
- 1 ÷ 4 → 同じ大きさで4つに分ける → それぞれ 1/4
「何等分するか」はわける数、「何個分あるか」は取り出す数になります。
だから、
3 ÷ 4 = 3/4 は「1を4等分したうちの3個分」になるのです。
3. 「0等分できない」ってどういうこと?
では、1 ÷ 0や1/0ってどうなるのでしょう?
「1を0等分する」というのは、「分ける人(数)がいない」という状態です。
これは 物理的にも意味がありません。
- 1個のケーキを0人で分ける → 誰に分けるの?誰もいない…
- あるいは、「0個に分ける」ってどうやるの?
つまり、0で割ることは「等しく分ける」という考え方が成立しない。
だから、0で割ることはできません。
これは、意味から自然に理解できる大切なポイントです。
4. 家庭でできる「分数・等分」体験のすすめ
1個のものを分けてみよう
お菓子、折り紙、パンなどを実際に等分してみるのが効果的です。
- 1個を2人で分ける → 半分こ(1/2)
- 1個を4人で分ける → 1/4ずつ
目で見て、手で感じることで「1 ÷ 2 = 1/2」が腑に落ちてきます。
なぜ0等分できないのかを一緒に考えよう
「誰もいなかったら分けられないね」
「0人で山分けできる?」といった対話が、数学的思考の土台になります。
5. 最後に
分数はただの記号ではなく、「わり算の意味を形にしたもの」です。
「1を〇等分したうちのいくつ分か」という視点がわかれば、分数に対する苦手意識はぐっと減ります。
そして、「0等分はできない」というのも、無理に暗記するのではなく、意味から納得することが大切です。
「はつが」では、分数やわり算に不安のあるお子さんに対し、九九やかけ算の基礎から、ていねいに理解を積み重ねています。日常にある「分ける」体験から始めて、わかる・できる喜びを実感してもらえるようサポートしています。
詳しくは公式ホームページへ
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